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2008年8月

2008年8月 6日 (水)

あとがき

この物語は、実際に自分が体験した摩訶不思議な夢の話です。
実際に体験したものは、もっとおぞましく不思議な感覚でありました。ここで文章にしたのも何か意味がある事と考え、モバゲ~での掲載も、作家を目指している自分にとっては、足がかり的な作品となりました。
この話しは事実ですが、続編は、空想の話しであって、字を書く事、創造を巡らす事の面白さを感じられ、多くの人に応援を頂き、初めて長編を書き上げる事ができました。
続編は、3編予定しています。
もし、この続きが気になる方には、お勧めいたします。
続編【THE DREAM MAKER】のキーワードは【成長】です。年月を経た自分や登場人物の成長、そして、物語を通しての成長を楽しんでもらえる作品となったと思っています。


誤字、脱字で読みにくい点もあったかと思いますが、最後まで付き合って頂き心から感謝しています。
コメなどありましたらよろしくお願いします。
本当にご閲覧ありがとうございました。

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2008年8月 5日 (火)

現実へ帰る!!

俺は…その声に目が覚めた。
鼻に妙な違和感を抱きながらベッドから起きると、辺りを見渡した。
薄暗い部屋には、小さなテレビにコンポと丸いテーブル、その上は、タバコ吸い殻が山になっている灰皿とバーボンのビンが数本転がっていた。
異様な匂いがする…。
タバコの匂いと甘ったるいバーボンの匂い…。
…これが男の匂い?なのだろうか…。
はっきりは言えないが、だいぶ前から感じていた、異様であり、慣れた匂い…。
そう、そこはまさしく俺の部屋である。
その匂いに少し苛立ちを感じ、また、換気をしなければならない使命感を持ちながら、ボサボサの髪を掻き捨てる。
いつも思っていた事…。
換気に掃除…。
それだけで憂鬱になった。

いつもの朝だった…。

憂鬱な気分中で夢の事を思い出す。
…それにしても妙な夢?だったな。
暖かな温もりを感じながら、ぼやっとした記憶の中でそう感じていた。
…それにしてもリアルだったな…、あの夢の感覚は、確かに体で感じた…。
俺は、腕や肩をさすりながら、痛く、恐怖を感じた感覚を思い出していた。
それから、ゆっくりとベッドから出て、固まった体を伸ばす。
そして、散らばった本や紙くず、タバコの空き箱やバーボンの瓶が散らばっている床を足で払い除けながら窓辺に近付き、カーテンを開ける。
シャーっと小気味の良い音と共に異様な程に眩しい朝日を体で浴び、外の風景を見る。

…今日は?

雪か…。
視界一面には、純白の雪景色が映った。と同時に、夢の中での違和を思い出した。
…そう言うことだよな、今は、冬だもんだ…。

一つ深呼吸をすると、鼻に違和感を覚えた、恐る恐る手をで触れ、その触れた手をみると、指に血がついてきていた。
少し考えてから、部屋にある壁掛けの鏡を恐る恐る見た。
鏡に映し出されたのは…。
鼻血を流し、顔と首に手の平の様な赤い跡が残っていた俺の顔だった。
よく見ると少しだけ瞼も腫れ上がっていた。
一つ溜め息をしてから痛い体をゆっくりと動かし、部屋を後にした。
ゆっくりと階段を降りる。
全ての行動を確認しながら、居間を通り、台所に入った。
台所では母親が朝食の準備をしていた。

なにも言わずに、その後姿を見ている。
母親は、俺に気付きもせずに、しっかりとした動きで朝食の準備をしていた。

その答えが、あれと同じなら…。
不安が頭をよぎったが、このままでは始まらない。
「おはよう」と恐る恐る声をかけると、母親はなにも言わない。
…まさか?と思いながら、再び「おはよう…」と声をかけた。
すると振り返り。
驚きの表情で、俺に話しかけてきた。
「どうしたの!その顔。また喧嘩してきのか?さぁ、風呂入って来な」
と俺を巻くし立てた。
俺はその言葉に、小さく照れながらホッとした。
そして、母親の言葉通りに風呂へと向かった。
風呂に入ると肘が血だらけになっていた。
…あれは、現実?
俺は、朝食を食うと会社に向かった。
会社に着くと、誰もが俺を見て心配していた。
あれは…夢だよなぁ~、でもこの傷は…?
俺には、まったくわからなかった。


会社が終わり、また一日が暮れた深夜。
家の電話が鳴った。
俺は、その電話にでる。
「もしもし…」
次の瞬間、俺は耳を疑った。
…A子。
そう、A子からの電話だった。
「久しぶりたね。どうしていたぁ?」
「あぁ、変わり無しに生きていた。そっちは?」
「ん?私も変わり無しだね」
他愛も無い話しをして、数十分、そろそろ電話を辞めようと思った時、彼女が言った言葉に、俺は背筋に悪寒が走った。
「ねぇ~…ありがとう。これが言いたかった…」
…嘘だろう!
俺は、曖昧に答え電話を切った。
………。



あれから10年以上が経ち、彼女も結婚したと言う噂を聞いてホッとしついた。
もう…終わった……。
はず……。

俺は、今、別の会社で働いている。

その日も、いつもの様に昼飯を食って昼寝をした。

そして、昼休みが終わり用を足して鏡を見たら、

…!!

男は俺を見ていた。

鋭き不気味に輝く眼孔で……再び戦慄が体を駆け巡った。

そして、目が覚めた。
俺は再び、あの世界に足を踏み込んだのか……。

その時は、近いと言う気がしている……。


…そして、2年後の…。

…【断片的な夢】へと繋げたい…。

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2008年8月 4日 (月)

現実へ帰る扉…

俺は、藁をも掴みたい気持ちで、その言葉を信じ願った。
【出口よ、この夢、この場所から逃れる扉よ…開け!!】と…
すると、壁に小さめの扉が現れ始めた。
…助かった…。
俺は、そう思いながら、振り返り男を見た。
すると、男は俺達を凝視している。不気味に輝く瞳で…。
時間は無い!!
扉がはっきりとした形になったのを確認すると、咄嗟に扉を開け、A子をその扉へと送った。
「行け!!
「でも…」
「大丈夫だ、早く!!」と
A子を扉の向こうに押し出す。そして。
次に俺が扉から出ようとした時に!!
強い力で後ろから首と顔に手がかかり、後ろに引っ張られた。
「お前だけは帰さない!!
男の声がすぐそこから聞こえた。
激しい息遣いが耳元で感じられ、恐怖が走った。
男は、しゃがれた声で言う…。
「気付かないか…。気付いているんじゃないか…この夢、この現実…お前の心…お前の気持ち…俺は、はっきりと感じた、お前のその中にある輝きを…。戻る事は無い…。取引の時に心が揺らいだろう?」
「うるせぇ~、なに言ってやがんだ!!
「お前だけは、帰さない!!許さない!!その意味を…。」
と力が込めれた感覚が、男の指先から伝わり、そして、引っ張られている痛さに負けそうになった。
が、俺は、最後の力を振り絞る。
現実へ帰るために…俺の生きる現実に帰るために…。
「痛って~、放せボケがぁ~、なに言われようと、これは【夢】なんだ!!
と力一杯抵抗し肘打ちを食らわすと、男は仰け反りながら後ろに倒れ込んだ。
手の感覚が俺から消えるのを確認し、素早く扉を抜ける。
そして、再び念じて扉を閉め始めた。
扉がゆっくりと閉じる、その向こうから
「お前だけは許さないぃ~」
と言う声が怒りを纏っている感じに聞こえてきていた…。
俺はその場に崩れこむ、
そして…、
全てが終わった事を確認すると、全身が気だるくなり、そのまま眠りに就いた…。
どの位眠っただろうか、優しい声で誰かがささやいた。
『もう、起きる時間だよ』と…。
その言葉に俺は目を覚ました……。

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2008年8月 3日 (日)

狂気なる者の言葉…

俺は…。
ガツンとした感覚の中で、自分の力が消えるのを感じた。
俺は…。
剣を引き抜く事が出来なかった…。
「…」
A子を見る。
不安そうな彼女の瞳に、自分の無力さを恨んだ。が、彼女の不安を消す為に、小さく微笑んで見せ
「…こんなうまい話しはないよ…。俺、剣士じゃじゃないから…。…こんなのいらんよ…」
と苦し紛れの言い訳をした。が、彼女は、そんな俺に向かって小さく微笑み。
「…違う方法でね…」と言葉にした。
その言葉に、自分の心が見透かされた気持ちで一杯になった俺は、A子から視線を逸らした。
そして、彼女の向こうにいる男の行動を確認する。
男は自分の剣を拾い上げると、背筋を伸ばし俺達をジッと睨んでいた。
…さぁ~て、どうする俺…。と考えを巡らした時、女の子の言葉を思い出した…。
『剣は抜いちゃダメ…』
と言う言葉を。
俺は『抜いちゃダメじゃなく、抜けないんだろう、今は無理なんだろう…!!
と思った。
そして…後は?何かあんのか?…と女の子に語りかける様に、頭の中で再び考えを巡らした。
その時、しゃがれた声が考えをかき消す。
「その女の味はどうだった?若者よ」
男はゆっくりとこちらに向かって歩き出した。
……。
男の動きを見てから、視線をA子に移した。
A子は、男を見ながら俺の後ろに隠れる。
「共有しよう、同じ女を抱いたと言う事で、お前にもその女を抱かせてやる!!鏡の中に入っても快楽を与えてやる!!
その言葉に狂気を感じた俺は、
…なんだ、その取引は…こいつ、本当に狂っている…。と思いながら、間合いを取、壁に向かって後退を始めた。そして、背中が壁に当たると、ゆっくりと男との間合いを確認しながら壁沿いを進んだ。
「女をよこせ!!
「快楽か…」
男はその言葉に対して言葉にする。
「そうだ、いつでも抱けるのだ。その中にいる者達は、すでにわたしと契約を結んだ者達だ!!
その言葉に男達を思い出す。
無残な姿の男達を…。

「何故、あの姿になっている!!
「…あの姿?さぁ~て…」
とぼける男。
「おめぇがやったんだろう?」
「絶対なる力を見せただけだ、その結果、私に敵わない事を知り、私との契約を結んだ…。そう言う事だ。」
俺は、男との間合いは崩さない様に注意を払いながら言葉にした。
「絶対なる力か…。おめぇ、今までの男がその力に屈して、契約を結び、鏡の中でその時を待っているんだな。男達の目が物語っていた。なんかわかってきた。だから、死ねないんだな…」
「鏡の中は永遠、中に入ると死は無い。」
「いや、性欲と言う欲だけで生きているんだ、やつらの心は死んでいるんだ!!
男は、立ち止まり。
ため息をつくと
「欲だけに生きる。何が悪い!!若い男は性欲で生きている、それを見る事が悪いのか!!
と叫ぶ!!
「おめぇ…狂っているな……やっぱ」
と言いながら微笑むと、とっさに近くにある鏡割った。
キレのある音が部屋中に響き渡る!!
その光景を見た男が、断末魔の叫びに似た声と共に呻き声を上げた。
「うぉ~~!!」と…。
男は怒りの声を上げながら割れた鏡に駆け寄った。
割れた鏡から先ほどと同じ様に女性が悲鳴を上げながら上半身を出している。
その光景を見ながら、A子に聞いた。
「どうすれば出られる?」かと。
その言葉にA子は少し考え、そして、小さく言葉にした。
「何か現世で私が生きていた証は持っている?私が持っていた物…身に着けた事のある物…」
俺は、その言葉にハッとして、ポケットからハンカチを取り出すと、コンタクトレンズを見せた。
すると彼女は微笑みながら頷いた。
「次は…?」
彼女は再び考えた、そして…。
「わからない…」
と微笑みながら俺を見る。
……へ?
俺は彼女を見ながら落胆した。
この後が分からなければ…どうする俺?…あっ!!
俺は。爺さんの言葉を思い出した。
『願えばそこに道は出来る』と言う言葉を!!
…願うんだ!!と…

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戦慄の中で…

男は、冷やかな瞳で俺を見下ろしていた。
その姿は、脅威を感じさせる雰囲気を出し、その脅威は身長よりも高い感覚で俺の瞳に映しだしていた。
俺は、咄嗟に転がりながらその場から逃れると身構えた。
男は、小さく顔を動かし、瞳の端で俺を捕らえていた。
…。
沈黙が流れる…。
その時、男の奥に横たわるA子の足元に岩に突き刺さっている3本剣が目に入った。
…あれを使うか…。
と思うと、男との間合いを確認しながらA子へと近づいた。
そして、ある程度の距離まで近づくと、駆け足でその剣に近づき、柄を握る。
そして、力強く引いた。
!!
…嘘だろう…。
俺の渾身の力が、ゆっくりと絶望を感じさせた。
その剣は…、抜けない。
気を取り直して、別の剣も引いたが同じであった。
「剣には、男と女と子供らの念が入っている。その念に嫌われたか?」
俺を見ていた男が、嘲笑う感じで言葉にした。
…意味がわからない。
俺は、再び身構えた。
男は、ベッドを挟んで俺との間合いを詰めてくる。
…どうすればいい…。
ベッドのまわりをゆっくりと回りながら、A子の顔の近くまで来た時。
……!!
俺は確かに宙に浮いた。
ふわっとした感覚と共に足元にある床の感覚が消え、そして、強い衝撃と共に壁の方へ弾かれた。
…ヤバイ!!…。
俺は、その衝撃を感じた瞬間にそう思った。
そして、強い衝撃と共に壁に叩き付けられた。
背中、腰、頭、足に激痛が走る!!
床に崩れ落ちる俺。
「チッ。もう少しで仲間入りだったな…。」
男が言葉を発した。
その言葉を聞くと同時に、痛い首をさすりながら上を見ると、ゾッとした。

そこにはあの男達がいる鏡があった。
俺は、痛い感覚を引きずりながら立ち上がり、再び身構えた。
…あれは、やばかった…注意しなきゃ…って言ってもなぁ~…さぁ~て、どうする?俺…。
男を見ながら考え始めた時、男は、自分の腰から怪しい光を放つ剣を引き抜きながら俺に近づいてきた。
…嘘だろうぉ…ってか、卑怯だろうぅ…俺、真面目にヤバイ…。
俺は、男の動きを見ながら生唾を飲み込み、そして、この後を考えた。
…降参!!と言っても、通用はしないだろうな…。
と思った時、不意に何かが頭を駆け抜けた…。
これがヒラメキ?なのかぁ…。
そう思うと、身構えるのを止めて、その場に棒立ちになった。
「諦めたか?」
男は、そう言いながら近づいてくる。
俺は、ニヤッと微笑んで見せると。
横にある、鏡に力一杯肘打ちをした。
すると、グシャっと言う鏡にひびが入る独特の音と共にクモの巣状にひびが入った。
「なにぃ!!
男は仮面の中の瞳を丸くして叫び声を上げた。
その時、パリンとガラスが弾けた様な音と共に鏡が割れ、割れた面から悲鳴と共に女性が上半身を出した。
「うわっ!!
俺は、そのいきなりの展開に驚きながら、転がりその場から離れた。
男は剣を投げ出し駆け足で割れた鏡へと近づき、両手を広げて、呪文を言い始めている。
すると、女は再び鏡に戻され、鏡が巻き戻しを見ているような感じで修復していった。
その光景をみた俺は。
…今しかない。と思い。
一目散にA子の傍によりと揺すりながら起した。
「起きろ!!逃げんぞ!!
A子は、「う、う~ン……」と言いながら、ゆっくりと瞳を開けた。
そして、おぼつかない瞳に俺を捕らえると小さく微笑んだ。
俺も微笑み返し肯く。
すると。
「待っていたよ。必ず来るって思っていた。」
俺は、その言葉に大きく微笑み、そして、大きく頷いた。
「さっ、行こう!!
とA子を抱きかかえながら、ベッドから降ろすとゆっくりと立たせた。
A子が一人で立てるのを確認してから男を見た。
男は鏡の修復を終えて、ゆっくりと振り返りながら
異様な瞳で俺を睨みながら言葉を発した。
「絶対に許さん……」
と…。
俺は、本気でヤバイと確信すると、A子を連れて、再び剣の方へ駆けだした。
そして、男の行動を見ながら剣の柄を持ち思いっきり渾身の力をこめて再び引いた!!
…そして…。

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2008年8月 1日 (金)

対峙の時

そこには、黒いマントにシルクハット…そして、真っ白の表情の無い仮面の男…。
そう…あの時の夢の男…が、A子の枕元に立ち、彼女を見下ろしていた。
その男を見て、大きく生唾を呑むと薄っすらと額や肩に汗の感覚を覚えた。
心拍集が上がる…。男は、予想以上に大きく、見上げるほどであった。
俺は、男を見ながら大きく深呼吸をする。
と男は、俺の動きを察したのであろうか、ゆっくりと瞳だけを動かし、真っ白い仮面の奥にある異様な輝きを放つ瞳に俺を映し出した…。
不気味に輝いている瞳…、いやらしく輝く瞳…。
そう一年前に俺が見た夢の男だったのを確信した。
あの時も、今と同じ瞳が、はっきりと仮面の奥から異様な輝きを放っていた。
俺は覚えている。
そう思うと、爺さんが言っていた事を思い出した。
「…鏡の中の住人…」
それは、この男の事…、A子との接点を俺に見られた事が、この夢の発端となったのか?
男を見ながら、頭の中で整理をしようとしたが、ふいに男の視線がA子に移ったのを見て、そんな時間は無い!!と言う事に気付いた。
とにかく今は…ここから逃げなければ…。
不気味な沈黙が二人の間を流れる感じがした。その感じに恐怖を覚えた俺が口火を切った。
「彼女を返してもらう!」と。
その言葉に、男は反応を見せた。
再び俺の方を見るなり、しゃがれた声で「無理だ。」と静かに言葉を発する。
その言葉に反応する俺。
「なぜだ?」
「この女は、私との契りと破った。」
「契り?」
仮面が縦に動く。
「殺すのか?」
その問いにゆっくりと首を横に振り、壁を指差した。
…?男の指を差した方向を見る。
「その鏡を見てみろ」と男の声。
俺は、その言葉に反応して、男を警戒しながら壁に近づき、壁にある鏡のうちの一つを覗き込んだ。
すると…。

暗い鏡の中には、裸の女性が胸を隠すように腕を前で組んでぼんやりと浮かんでいた、それは、眠っているようであり言葉に出来ない程、幻想的な感じがした。
俺は、一度、男を見てから、その横にある鏡も覗き込んだ。
その鏡の中には、違う女性が同じようにしていた。
…なんだこれ?
「その鏡の中に居る者は、私のコレクションだ!」
俺は男を見た。
男は、A子を見つめていた。
「A子もこの中にいれるのか?」
俺の問いかけに男は首を横に振ると、今度は違う鏡を指差した。
その指差した方向に視線を移す、そこには、表面が細かい傷でくもり、鏡の役目が出来ていない感じがしていた鏡が何枚か掛けられていた。
再び、男を警戒しながらゆっくりと鏡が掛けられている場所へと移動をする。
男は、俺を不気味な視線で見ていた。
鏡の前に立つと、恐る恐るその中を、目を凝らしながら覗き込んだ。
すると!!……うっ!!
その中の光景に目を慌ててそむけると一歩後退した。
…嘘だろう?ってか、あれは…。
俺は、見た光景を確認するために小さく息を吐き、再び、ゆっくりと覗きこんだ。
…その中には、
体が傷だらけの上に髪もボサボサのみすぼらしく、何も着ていない女性達が引きつった表情でこちらを見ていた。
「その中の女達は、私との契りを破った女達だ!!今は、私の慰み者…、好きな時に私の相手をしてくれるペットだ!」
…はぁ?
俺は、男の狂気じみた言葉に恐怖を感じた。
「契りとは?」
男は、俺から再びA子へと視線をかえながら言葉にした。
「純潔だ。……私に見初められ一年純潔を守ると、鏡の中での永遠の美を与え、破ると、そうなるのだ。」
その言葉に怒りが込み上げてきた。
「…おめぇ、何様なんだ?」
男は、その横の鏡を指差し。
「お前と同じ事を言ってきた者がそこに居る」
と言う。
そこには、同じ様な鏡が隣にあった。再び男を警戒しながら恐る恐るその中を覗き込む、そして…。
……うっ!
胃から込み上げてくる汚物を感じ、あまりものの無惨さに腰を抜かし、床に腰を下ろしてしまった。
その鏡の中には、無惨に引き裂かれ、内臓を露出し、体の各部位を切断たりされ、哀れな姿になっても尚、生きている男達がこちらを見ている。
その光景に俺は、背筋が凍りつき、体中を悪寒が物凄い勢いで駆け巡った!!
今まで見た事も感じた事も無い程の恐怖と残忍さに震えが走った。
そして、嫌な気配を後ろに感じ俺はゆっくりと振り返り、見上げた。
すると…。

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