【夢の世界で…】
…これは【夢】…。
久しぶりに聞いた言葉。
しかし、心のどこかで待っていた言葉でもあった。
俺は、彼女を見ながら、そう思っていた。
彼女の髪が風に靡いている。
しかし、良く見るとあどけなさが残っているようで興味を持った事に、聊か良心が痛んだ。
しばらく行くとK通りにある錆だらけのシャッターの前に車が止まった。
そこはスナックであろう。一度訪れた事のある見覚えのある場所だった。
彼女は素早く車から降りる。
それを見て、俺も後を追って降りた。
シャッターの前に来ると彼女は俺の方を見る。
そして…。
「さっ、やってみて」と促した。
……?
俺は、意味が分からなかった。とりあえず、シャッターに手を伸ばす。
すると、「違う、違う!」
と彼女は俺を制止させた。
「分かっている?これは【夢】……。要領は分かるはずでしょ。」
その言葉に俺は昔聞いた言葉を思い出した。
…あぁ~、そう言う事か……。
俺は、手をシャッターに向けると願った。
…開け!!……。
すると、シャッターはゆっくりと上がった。
俺は魔法使いになった気持ちで一杯になった。
彼女は、小さく微笑むとシャッターの向こうの階段を上り始めた。
俺も後についた。
店に入ると、中は薄暗く、彼女は電気を点け始めた。
俺はカウンターに座ると辺りを見渡した。
「何か飲む?」
振り返ると彼女は、まるで自分の店の様にカウンター内に立った。
「いや、いい」と返すと。
彼女は微笑んだ。
そして、俺を見つめた。
…なんだ?誘っているのか?…。
下心がうずうずと顔を出してきた。
彼女を見つめ返すと、彼女はサングラスを取りながら再び微笑んだ。
…こんな子と知り合いだったか?…。
どう見ても彼女は、まだ成熟しきっていない少女の面影があった。
「知り合いだったか?」
俺が聞くと、彼女は惚けた顔をして見せた。
「私は、知っているよ」
……?
俺は、今までの記憶を覚えている限り考えてみた。
その姿を彼女は面白がっていた。
…わからないな……。
「あのさ……」と彼女が声にした時、電話が鳴った。
彼女は、その電話に出ると何回か頷き、受話器を置いて再びサングラスをかけた。
「行こう、そろそろ刺客が来るわ。ミエ様は違うところにいるから」
…ミエ様…誰だ、それ?
俺は疑問に思いながらもその店を出て、
再び彼女の車に乗り込んだ。
そして…、O市を縦断するバイパスに乗った。
| 固定リンク
« 【謎の女】 | トップページ | 【ミエ様へ続く道】 »
「EpisodeⅡ」カテゴリの記事
- 【第一の刺客現る!!】(2008.09.19)
- 【夢の世界で…】(2008.09.17)
- 【謎の女】(2008.09.16)
- 【断片的な夢】(2008.09.15)
- 【Introductory chapter】(2008.09.14)

![[stmx] - ソーシャルマーケットプレイス](http://sun.d-064.com/han/images/banner_program/tokusyu2_120-60.jpg)


コメント